王子小劇場プロデュース
『俺の屍を越えていけ』
作 畑澤聖悟/演出 黒澤世莉
@王子小劇場
こまごめ値―★★★☆☆
それにしても、「もったいないおばけ」って、悪くないネーミングセンスだと思いませんか? どこまでもストレートで裏がない。知らなくても何となくどういうおばけか判ってしまう。
もったいないおばけについてもっと知りたい方は、GoogleとかYoutubeで探していただくとして、『俺屍』の話を始めましょうか。
結論から言ってしまえば、「畑澤演出で観てみたかった」。
今回の「王子トリビュート」という企画の意図を汲んだ上で、この結論に至っちゃったのにはもちろん理由があります。
今回の気になる諸々の点を考えた時に、黒澤演出の意図が見えなかったのが、クリティカルな問題だと思います。もしかして「役者の個性を出す」のが今回の演出だったとしたら、それがあまり良い方向に働いていなかったと評価せねばなりません。
今回の企画では、ただでさえ個性的な役者陣が集まっており、彼らは所属する劇団でそれぞれの方法論によっていつもお芝居をしているわけです。そういった役者陣に演技面での共通認識を示すのが演出家の仕事とは言えないでしょうか。
残念ながら、今回、役者陣が作品空間を共有できていなかったように感じました。これでは演出家の仕事をほとんど評価できません。これだけの役者を集めておきながら、それを生かし切れないのでは、もったいないおばけが出てきてもしょうがないでしょう。
舞台の上をもったいないおばけがうようよしておりましたが、それでも本は面白くてほっとしました。大元がしっかりしていると安心できるものです。
2006年12月21日
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